葬儀費用は一体いくら必要?平均費用や相場、業者選びのコツ

葬儀の主催者となる喪主を決めたら、葬儀を依頼する業者を決めることになります。複数の葬儀業者のなかから、葬儀社ごとの特徴や平均費用や相場、故人および遺族が望む葬儀を行ううえで大事なポイントをまとめました。

葬祭業者は大きく分けて、「専門業者(葬儀社・葬儀屋)」、「冠婚葬祭互助会」、「生活協同組合(生協)、農業協同組合(JA)」、「自治体」の4種類がありますが、どのようなサービスをどれくらいの費用で行ってくれるかを比較・検討する必要があります。

葬儀費用の相場や平均はどれくらい?

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日本消費者協会が実施した「第10回 葬儀についてのアンケート調査報告書(2014年)」によれば、葬儀費用の総額は全国平均で188万9000円となっています。内訳としては葬儀一式が122万2000円、お経や戒名、寺院への費用が44万6000円、通夜からの飲食接待の費用が33万9000円となっています。

注:葬儀一式の平均費用やお経や戒名など寺院への平均費用など、項目ごとに回答者数が異なるため、各項目の合計と葬儀費用の総額(全国平均)が異なる結果となっています。

葬儀費用の平均総額は年々低下傾向にあるとされていますが、それでもまだ高額であることには変わりありません。また、葬儀の相場は各地方によって異なるうえ、参列者の数などによっても葬儀費用は大きく変わってきます。

葬儀の費用には一体何が含まれるのか?

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消費者庁が平成24年2月3日に発表した文書によれば、「葬儀の費用」とは、

  • A.葬儀事業者へ支払う費用
  • B.その他の事業者等へ支払う費用
  • C.寺院等への費用

上記3項目の総額を指します。

つまり、「A.葬儀事業者へ支払う費用」は葬儀業者の売り上げとなる部分を指し、「遺体の搬送」や「お葬式の段取りや手配」、「式場および受付、枕飾り等の設営、備品貸出」などのサービスにあたる部分となります。

また、「B.その他の事業者等へ支払う費用」は「通夜からの飲食接待費」や「生花事業者への支払い」、「ハイヤー代」などが該当します。実際にはこうしたサービスの手配も葬儀業者が代行してくれることが多いのですが、費用の性質としては「実費」に相当する費用となります。

「C.寺院等への費用」はお経や戒名、お布施などの費用が該当しますが、葬儀の費用においてもっとも大きな額を占めるのは「A.葬儀事業者へ支払う費用」ということになります。

葬祭業者が行ってくれるサービスとは

香典返し (1)

葬祭業者は葬儀に必要な事前の準備のほか、式の進行、後片付けなどを行ってくれます。最近は料金体系が明確で、格安の葬儀業者も登場していますが、どれくらいの料金で、どれくらいのお手伝いをしてもらえるのかを確認しましょう。下記は葬儀業者が行ってくれる一般的なサービスの内容です。

  • ・遺体の搬送、納棺、火葬場の手配、同行
  • ・お葬式の段取り、手配、司会・進行
  • ・式場および受付、枕飾り等の設営、備品貸出
  • ・遺影の手配、額装の手配
  • ・死亡届など役所への手続き
  • ・供物、供花、料理、返礼品等の手配
  • ・初七日法要や香典返しの手配など

葬儀業者の上手な選び方とは?

選び方

上述のとおり、葬祭業者は大きく分けて、「専門業者(葬儀社・葬儀屋)」、「冠婚葬祭互助会」、「生活協同組合(生協)、農業協同組合(JA)」、「自治体」の4種類となり、それぞれに利点や特徴があります。こちらでは各業者の特徴をご紹介します。

専門業者(葬儀社・葬儀屋)の特徴、選び方のコツ

香典返し (2)

専門業者は文字どおり、葬儀全般を専門に行う業者です。規模は大手から地域密着型までさまざまですが、地域の事情や風習に詳しく、お墓など埋葬に関することや、お仏壇の手配まで、葬儀周りのことを幅広く取り扱っています。一般的に宗教や宗派に応じた対応が可能という特徴があります。

冠婚葬祭互助会の特徴 選び方のコツ

冠婚葬祭互助会は「冠婚葬祭」に必要となる費用を積立方式によって事前に準備しておくものです。事前に内容を決め、内容に応じた掛け金を一定期間積み立てることで、必要となった際に契約に応じたサービスを受けることができます。

互助会は1つの組織ではなく、あくまでも「冠婚葬祭」に必要となる費用を積み立てるシステムを指し、同システムを提供する企業は全国に数多く存在します。契約内容や積立金額は企業によって様々なので、こちらも事前に比較検討が必要です。

また、互助会は当然、解約が可能ですが、解約手数料が必要となるケースが一般的で、さらに積み立てた金額が全額返金となるわけではないようです。

生協、JAの葬儀サービスの特徴 選び方のコツ

生活協同組合(生協)、農業協同組合(JA)はそれぞれ組合員を対象にサービスを提供しています。

特に、生協の葬儀サービスは料金体系が明確であることが大きな特徴で、東京都・栃木県・群馬県・埼玉県で提供している葬祭サービス「コプセ葬」の標準型は基本料金23万円(税別)、税込価格が24万8400円となっています。また、追加サービスについてもそれぞれ料金が明確であるため、予算に応じて内容を検討しやすいシステムとなっていることが特徴です。

自治体が提供する葬儀サービスの特徴 選び方のコツ

近年は多くの地方自治体が葬儀サービスを提供しています。東京23区であれば「区民葬」という選択肢があるほか、各県でも各自治体が「市民葬」や「町民葬」といったサービスを提供しています。

同サービスは自治体が直接提供しているものではなく、自治体が指定する葬祭業者において統一の協定料金で葬儀を執り行うことができるというものです。例えば、東京23区の場合、区役所に死亡届を提出する際、区民葬を希望する旨を伝えると区民葬儀券が交付され、明確な料金体系のもとで葬儀を行うことが可能となります。

まとめ 葬儀社の選び方、比較検討のうえで決定を

比較

病院で亡くなった場合は、病院と提携している葬儀業者に遺体の搬送から葬儀の執り行いまで依頼することが可能です。ただ、葬儀は価格やサービスの内容まで、故人や遺族の希望どおりに行ってくれる業者を選びたいものです。

良い葬儀社を選ぶうえでは、複数の業者から見積もりを取りつつ、

  • ・遺族の立場で、親身になって相談に応じてくれること
  • ・料金体系が明確で、サービスの内容とその費用が明確であること
  • ・遺族の希望や予算に応じて内容をアレンジしてくれること
  • ・葬儀における実績が豊富で評判が良いこと
  • ・地域の事情や風習のほか、宗教や宗派に応じた対応ができること
などを確認し、比較検討を行うことが望ましいでしょう。

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