「終活」とは一体何?

終活とは何をどうすること? 具体的な方法や考え方を解説

「終活(しゅうかつ)」という言葉が近年、日本の社会に定着し、広く知られるようになりました。著名人が「終活」をしているという話を耳にする機会も増えているためか、終活に興味や関心を持つ方も増えていますが、「何を、どのようにすれば良いのか分からない」という声も少なくありません。

まず「終活」とは「安心して人生の終末を迎えるための準備」を指す言葉で、週刊誌の連載で使われ始めたことがきっかけで広まったとされています。

終活とは、安心して人生の終末を迎えるための準備をすること

終活

誕生から間もないにもかかわらず、終活という言葉が広く認知され、日本の社会に定着した理由は、「終活」の考え方が多くの人に支持され、共感されているためでしょう。当記事では、終活を行うにあたっての考え方や、「終活」の具体的なやり方を分かりやすくお伝えします。

「終活」とは、誰もが迎える死に対し、行き当たりばったりではなく、「計画的」に向き合い、「準備をしておく」という考え方です。「自分が亡くなってから家族や親族に迷惑をかけたくない」という日本人らしい考え方も、「終活」が支持される大きな要因の1つかもしれませんね。

しかし、人生の内容が人それぞれ違うように、人生の終末を迎えるために準備すべき分野も人それぞれ違うもの。死後に相続でトラブルが起きないようお金や遺産を生前に整理しておくのが終活だという人もいれば、自分が望む葬式をあげてもらうよう手配しておくのが終活だという人もいるでしょう。終活とは安心して人生の終末を迎えるための準備をすることであり、100人いれば100通りの終活があるということなのです。

終活として準備しておくことは人それぞれとはいえ、やはり「介護」や「相続」、そして「お墓や葬儀」などは多くの人が前もって準備をしておく分野のようです。そこで、こちらでは代表的な終活の内容として、将来の介護や相続、そしてお墓の準備についての「考え方」をご紹介します。

介護や医療について計画を立てましょう

介護

介護は急に必要となるケースも多いもの。今は元気であっても、骨折などちょっとした怪我が理由で寝込んでしまい、認知症を発症することがあるほか、脳卒中といった生活習慣病が理由で要介護状態となってしまうこともあります。いざという時に困らないよう、介護サービスの種類や内容、介護保険、介護認定の手続き方法、家族の介護休業など、各種制度を事前に知っておくことが大切です。

介護サービス

介護サービスの種類や内容を前もって知っておきましょう

・自分が望む医療、介護はどのようなものですか?
・希望をかなえるための費用は確保できていますか?
・誰に、どのような形で介護をしてもらおうと考えていますか?

相続の相手や遺言の内容を決める

相続

相続や遺言でもっとも避けるべきは「トラブル」でしょう。相続トラブルで骨肉の争いを繰り広げるということだけは絶対に避けたいもの。資産の額を把握し、相続人と生前にしっかりと話をしておくことがトラブルを避けるうえでの必須事項です。また、近年は税制の変更が行われており、相続にかかわる制度も大きく変わりつつあることから、節税しながら上手に相続をすることも大切です。

遺言

相続トラブルで骨肉の争いを避けるためにすべきことは?

・自分自身にどれだけの資産があるか把握できていますか?
・相続時にどれだけの税金がかかるのか把握できていますか?
・遺言として残すべきことは整理できていますか?

お墓、身辺整理、葬儀について決める

葬儀

従来の地上墓のほか、最近は納骨堂や樹木葬、散骨など新しい埋葬方法が登場しています。お墓参りにかかる手間やお墓の維持費といった点も含め、お墓参りをしてくれる家族や友人のことも考えながら、お墓を選ぶことが重要になります。

お墓

お墓を選び、葬儀内容を事前に決めましょう

・自分自身が望む埋葬方法とはどのようなものですか?
・お墓もしくは埋葬場所は確保できていますか?
・その埋葬場所は家族や友人がお墓参りするうえでの利便性は高いですか?

主に考えるべきは上記3点になります。お墓の上手な選び方や失敗しない埋葬方法に向けた記事は、【お墓や納骨堂】お墓の値段や費用、後悔しない選び方において解説しています。

終活という言葉自体は新しいものですが、その内容を見てみると、特に新しいものはないことが分かります。「自分が元気なうちに終末に向けた計画を立て、自ら準備をしておく」という考え方が「終活」なのです。

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まとめ:終活は自分のためであると同時に、家族のためでもある

「終活」は自分の望む形で終末を迎えるための準備であると同時に、終末を迎えるにあたって家族にかけるであろう負担を減らす準備でもあります。

介護や相続、お墓の準備など、いずれも自分だけで決めるのではなく、家族の意見を取り入れながら準備を進めることが上手な終活といえるでしょう。

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